2019醸造終了と冬支度

11月いっぱいで岩見沢の家を引き払い、余市へ戻ってきました。
今年は9月28日から始まったので過去最長のシーズンでした。
現在は畑の冬支度を終え、剪定が残り1/3程度となっています。
毎日TBSラジオ(お気に入りは伊集院)聞きながらパチパチ切ってます。

今回は3シーズン目の仕込みで、過去最も濃く、知識・技術・蔵での動作の面で色々なことを学べました。
ワインが今まで以上に本当に好きになったし、より多くを吸収したいと強く思うようになりました。




そして今回のシーズンで大事な方向転換をすることも決めました。

とりあえず直近でワイナリーを建てるのを止めます。
少なくともあと6,7年は建てません。

それは自家醸造を直近でやる必要性が見えてこない(ポジティブ、ネガティブの両面から)のとじっくり自分の中の経験値をこの「北海道の地」で蓄え、自信を持って臨める状態になってからでも遅くはないと感じたからです。
10Rにいると北海道で生産された多くのヴィニフェラ(品種、量、状態の良し悪しetc)を観察し、触ることができます。当然醸造にも携われます。
これらのブドウを見て状況判断をし、醸造のパターンを組み立てる上で自分の手札が余りにも足りていないのが今シーズンよく分かりました。
生産された(持ち込まれた)ブドウ如何でどのようなスタイルを目指し、どのような処置を施すのか。これは収穫前から既に始まっていることでもありますが。
毎度同じブドウが来るわけでもなく、毎度同じ仕込みをして対応できるわけでもないのです。
とにかく今はその経験量が足りないし、経験値を蓄積したいという想いが強いです。
山梨の大先輩からお前はDIYを目指すのか建築家を目指すのか考えろとも言われました。
既にその答えは自分の中では出ています。
この北海道でしっかりと根を張り、ワインを造るという営みを継続していく上で今回の決断が良い方向になることを願うのみです。




畑に関しては有機認証を来年2月には取得できるよう講習を受ける予定です。
今のところ全圃場で認証を取ります。
自家醸造を延期したということは委託を暫く続けるということ。つまり収量も確保しなければならないということになります。
去年行ったbt剤の実験やウスモンミドリカスミカメを用いて得たツマグロアオカスミカメの防除体系など2020年は2019年の蓄積したやり方を試そうと色々思いを巡らせています。来年は3年目。ある意味で圃場からの最初の成績表が届く年です。収量確保できるよう努力します。

ちなみに今シーズンは極少量の自園ブドウ以外に買いブドウで700kg強のツヴァイを仕込みました。
全量全房でタンクに入れ、セミMC80%・20%破砕、マセラシオンは22日間で現在おり引きして2樽と60lステンタンクに入れています。
11月半ばには糖は食い切っている状態で現在MLFが完了したのかチェックする前といった感じです。
この後トッピングを行いつつ、12~18か月樽熟させる予定です。

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