我が家の家計費に占める食費はとても高いです。
消費量はそこまでですが、ある意味でこだわりが強く、高くついてしまいます。
自給している食品も相当に高いですが、調味料、米、小麦、ワインに対しては現状の収入に対して大分はみ出た支払いを行っていると思います。
他方、一般的に家計のやりくりで一番削りやすいのも食費についてだと思います。
作っている人の人となりまで知っているから安心できる食べ物、この点に非常に共感できるからこの価格でも納得できる等こだわる人もいるかと思いますが、一般的に一番やり玉に挙げられるのは食費だと思います。日々消費されるし、目に見えて分かりやすいですしね。
こう考えると、食費に対する考えの2極化がより強く進んでいるんだろうなと思うわけです。
世間では、●●が安い、だとか今なら●●セールとかで「価格が安い」という一点突破で目玉になるような宣伝文句の下、食品が販売されていることも多いです。
でも、日々消費して体を構成する元となる食品ってそんなに安売りするべきものなんでしょうか?
今の米、みそ、しょうゆ価格などは本当に安いなと思います。ニュースなどで生活必需品の価格が値上がりするときに平均●●円値上がりするといって、コメンテーターが生活が大変になりますねと話なんかしてるのを聞くと、違和感しか感じません。
そう。食品の値段が現状だと安すぎると個人的には感じるのです。
あなたがかけているスマホ代、交際費、ネット代などなど高いと思うのはいくらでもあるわけです。
あなたが生きていくうえで必要なのは情報やお金などいろいろあると思いますが、生命活動を維持するために摂取する食品は一番大事でしょうと思うわけです。
日々体に取り入れる食べ物は、体を構成する物質。
売っているものなんだから信用に足るもの、大手食品メーカーが作っているんだから信用に足るもの、売り物なんだからまがい物なんかなわけがない。
果たしてそうなんでしょうか?と思うわけです。
少しでも信頼できる食事を摂るためにも、ある程度のお金を米、味噌、醤油、基本的な調味料からでもいいからかけてほしいと思います。
一方、私が造っているワインは一般的には日々消費するものではないと思います。
いわゆる奢侈品です。
じきの赤は約3,800円。これは一般的な感覚として酒としては高い部類だと思います。
美味しいとされるワインは高価格な印象はありますが、現状の自分のワインはフランスの憧れのあるワインと比べてどうなのか?
同じ価格帯で、簡単に比較はできませんが、自分のより美味しいと感じるものも多いというのが実際だと思います。
ただ、3,800円というのは中身と価格を考えた時のすり合わせで上限ギリギリかな?というイメージで付けている値段です。
中身のことを差し置いて経営面から値段を付けるのであればもう少し高くしたいなという実情もありますが、それだけはしたくありません。
だから目指すワインに近づいた時には価格を上げることもあるかもしれません(現状はその予定はありませんが)
こんなことを思ったのも、最近色んな酒屋さんのHPを見る機会があったので面白半分どの程度の値段決めを皆さんしているのか見てみました。
はっきり言うとある程度真面目に造っているであろう日本ワインは高いと思いました。
特に小規模ワイナリーの商品が。
中には抑えているところはありますし、この値段でこの中身なら安いなー、毎日でもいただきたいなー、というところもあります。
ですが、中身と価格の不釣り合いさが如実に出ているところが多いのも事実だと思います。
あのワインでこの値段…。私ならロワール、更にはジュラ、サヴォワの好きな生産者購入するなーとなりそうです。
結局のところ、中身と価格のすり合わせと書きましたが、消費者サイドがどのような感覚でいるのか、ターゲットとしている人に対して「如何に売るか」「マーケティングしていくか」に力点が置かれていて、中身と価格の不釣り合い感が置いてけぼりにされているような印象なのです。
目指しているワインだったのか、できちゃったワインだったのか知りませんが、造ったワインを如何に捌けさせるのか、そこに注力している印象です。
販売先を直接消費者に届けるのか、酒屋さんへ卸すのか、或いは飲食店に売るのか。
それもワイナリーを経営する「商才」としては必要なことだとは思いますが、ものつくりをしている一端の職人でもあるのだから自分のワインの値決めについて冷静に俯瞰してみてみることも必要なんでは?と思いました。
にしても高いですね。これじゃ大きなキッカケがないと小規模ワイナリーのワインを購入してくれる人の裾野は広がらないですよ。